「ナガオカケンメイの考え」という、D&DEPARTMENT PROJECT代表取締役会長であり、デザイン活動家であるナガオカケンメイさんの本。
ナガオカケンメイさんの2000〜2005年までの日々の日記がまとめられています。
今回はこちらの本の読書記録の記事です。
本との出会い
職場の隅っこに雑然と置かれるデザイン関連本の山がありまして、自由に読んでいいとのことだったので借りて読むのが最近の趣味なのですが、その中の一冊がこちらの本でした。
会社の上司が勝手に本の帯を作って付けてました 笑
D&DEPARTMENT PROJECTは聞いたことはありましたが、お恥ずかしながら著者に対してはあまり知らなかったので読んでみることにしました。
構成は書き出しに手書き日記の文字が入り、その内容が綴られています。
手書き文字の字体が結構可愛いです。
言葉たち
- デザイナーって、もっともっと夢のある仕事であってほしい。頼まれた「仕事」であっても、頼んだ人の想像を超えるクリエイションでなくては。
- 最高のクリエイティブとは、心の中に出来上がるもの。そう思う。どんなものでも、結果としての「感動」や、きっかけとしての「思いつき」がなければ何も起こらない。人を感動に導くことのできること、ものはすべてクリエイティブだ。
- 僕が表現したいのは、「デザイン」という概念ですから。
- 大切なのは、「やりたいのなら、その周囲を猛烈に知ること」だと思う。自分が踏んでいる土台は、絶対に、誰かが死ぬほどの苦労とクリエイティビティによって作られたものだから。
- 任せると言われてのびのびやりたければ、以下の2点に注意する。1、任せられた着地点を確認する。2、連絡報告を怠らない。
中でも自分が響いたのは任せるということについての話。
「任せた」と言われたにもかかわらず、口を出されるのは、やはり、途中経過のコミュニケーションに問題がある。そこにある「自分に代わって任せた」という部分を任された側が「進めている」ということをしっかりとわかりやすくすることは絶対だ。ある意味、結果よりも「どう進めていくかが見える」ことのほうが大切に思う。
「任せた」と言われれば、たいていは「結果さえ出せば、途中の過程は何も連絡しなくてもいい」という意味に考えがちになる。つまり、「どんな運転をしても、目的地にさえ着いてくれればいいよ、着いたら起こしてね」ということと考えがち。
しかし、そういうドライブにたとえるなら、そういったご主人は、たいていは助手席で起きて雑誌でも読んで、たまにチラッと道順のチェックなんかは入れている。このたとえでいくと、「おい、どこに向かってるんだよ」と言われることが問題で、「こういう道順が近いので行きますね」というやりとりを期待している。
目的地に到着するというゴールは変わりない。「任せた」と言われたら、基本的には「ゴールにたどり着く」ことの「方法論」を任されている。だからこそ、「そこに向かっていないような気にさせる」ことが、言ってみれば一番のNGだ
仕事の基本と言われる報連相。
色々な本を読んでもどこか説明が腑に落ちない感覚が残っていたのですが、このドライブの話 は任せた側も任された側の状況も想像しやすくて分かりやすかったです。ドライブよりも、タクシーに乗っている場面(同じかな)を思い浮かべながら読んでしまいました。
上司に仕事を任されたり、自分が人に仕事をお願いしたりする時、報連相はできているか、お願いしっぱなしにして着地点の説明を忘れていないか?自分も上司にこう考えて言われているのかなと思う言葉、心にぐさりと刺さる言葉などあって、自分の考えを広げるきっかけになりました。
自分の手元にも置いておきたくてネットに中古で売っていたこの本を購入しました。
何度も読み返し言葉を噛み締めて取り込みたくなる本。
ナガオカケンメイさんの思考を日記を通して知れるのでデザイナー以外の職業の人も読んでみたら楽しいと思います。